虫篭

ダンジョン飯について書くブログ。

ダンジョン飯 第75話「迷宮の主」

この記事何?

ダンジョン飯』の備忘録を兼ねた感想(とちょっとだけの考察)になります。
私がいままで書いてきた『ダンジョン飯』各話の考察やメモについては、カテゴリ一覧の「ダンジョン飯」からお願いします。同作品の考察については、今後もこのカテゴリで記事を更新するつもりです。

なお、今回取り上げる第75話は、'21年6月16日現在、単行本未収録です。ネタバレしかないので、単行本派の方は気をつけてください。

 

 

第75話「迷宮の主」

 

海産物っぽい匂いの紅茶……私がコーヒー派なのもあるんですけど、まったく想像がつかないですね。
扉絵はライオスが猫拾ってきちゃった感じですねかね。ファリンの表情は考えなしの兄に呆れているのか、はたまた「バレちゃったよ……」なのか。

翼獅子

「繰り返すが 私自身はただの力だ」

「ふるうものがいないと何もできないよ」(P357)

いやお前あれだけ色々自分で動いといて何言うてんねんってのが第一印象でしたね……まあはマルシルに「迷宮の主」としての自覚を持たせる意味合いが強いのでしょうが。そうやって主を育て、迷宮を育てて欲望を食いまくれば単体で災厄レベルになるのが悪魔なわけですし。

マルシル

迷宮の主になることの意味、それをはっきりと知らずに突き進むマルシル……扉絵がファリン込みの思い出だったのもここで効いてきますよね。

しかしまあかなり強引な願いだけに、翼獅子はやりがいを感じてそうですよね。控えめに言って最悪ですが……

それにしても、うさ耳の生えた蜘蛛と言い、♡入りの歩き茸と言い、やっぱちょっとセンスが……その……でも人間なら10代?の年齢とかだとこんなもんなのかな……「ついで」の願いの強欲さとかも含めて青さを感じてしまう一幕。

シスル

「色んな感覚が頭の中に流れこんできて……物凄くうるさい……」(P382)

マルシルの発言を通じて、改めてシスルの処理能力の高さ、ひいては魔術師としての能力の高さがうかがえたのではないでしょうか。でもシスルがカリカリしてたのは正直これのせいもあると思う。翼獅子曰く「慣れの問題」とはいえ、本人には相当な負荷っぽいし……

ファリン

火竜に襲われた時、ファリンが口にした「覚悟」。ファリンの首を自ら締めたときのライオスの言葉も思い出されましたが、まああんなの思い出しちゃったら、マルシルの願いは止まらないよねっていう。

この走馬灯ですら翼獅子の術中だったら本当に凄いけどそれはさすがにないか……

個人的に、穏やかに他者の心を掴む素質と素朴な頑固さが両立するファリンは小隊長クラスの人間に向いていると思うんですよね(ライオスには前者がない)。一方であまり前に出ない性格もまた彼女の個性であり、加えて兄妹の関係性もあって、ライオスがリーダーをやっているわけなのですが。

それにしても例のコマは見たことない表情でゾクッとしたな……

ミスルン

戦闘シーンがホントにカッコいい。

そして、今まで見た中だと敵の身体と土を置換するのとかも結構えげつないなと思ってましたが、モノを転移させてねじ込む→断ち切るってのは更にエグいですね。しても、切断とか結構な描写もあったのにかかわらずグロくならないという、バイオレンス度の調整が絶妙で唸ってしまったのは私だけですかね……

フレキ

使い魔がやられて同期が切れると本体側の意識も落ちる仕様なんですね。再起動できるのかな……隣にいたオッタの驚きようからすると初遭遇の事態っぽいですが。

ライオスとカブル―

カナリヤ隊も一時的に無力化された今、次回以降は二人の頑張りにかかってそう。ライオスとカブル―がタッグを組むとするとVSファリン(キメラ)戦以来なのでちょっと楽しみですね。絶望度合いが増してますが……

最後に。

翼獅子の毛並みがやたら良くて腹立つ。

 

以下雑記

繁忙期とか環境の変化とかあってずいぶんご無沙汰してました。上の部屋から漏水したり諸々の結果、工事が終わってなくて一時的に本棚が家にない状態なのがとてもつらいですね。なので、抜けてる分(71~74話とワールドガイド)の更新はしばらく先になりそう……

最近のハルタ

今号(Vol.84)で「作者近況」から目次が独立して巻頭に移動しましたね。雑誌は最初に目次を読むタイプなので、ダンジョン飯を探そうとしてちょっと驚きました。

新連載の『司書正』は気になっています。中国宮廷物はだいたい無条件に好きなので。

あとは5月売りのVol.83で載ってた『バスジャック二度としない』が結構好きな感じでした。マズい方向に振れた時の気の迷いから立ち直れるかって、もうぶっちゃけ周り次第なところあるよなと思っていたので、こういう組み立てが好きだし、何よりバスジャックして夜の海に到達するってのが無条件にワクワクしていい。

ハルタ以外

劇場版『映画大好きポンポさん』がめちゃくちゃよかったです。劇場版ガルパンのノリが好きな人は絶対に楽しめます。私はどちらも大好きです。

キャスティングがまず良かったですし、映画に詳しくない私でも「おっ」となる小ネタや色の使い方、カットの技法もたくさんで、観ていて飽きないのは「映画の良さ」が出てましたね。
そんなメリハリの利いた演出に加えて、尺を余らせないシナリオのアレンジもあって、見ていてとても気持ちのいい映画でした。そういう意味では「ハリウッド」がモチーフの映画としても納得の感じで……とにかく気持ちがいい、気分がいいというのが映画館を出た時の感想でした。

 オススメです。それでは今回はこれくらいで。