虫篭

ダンジョン飯について書くブログ。

ダンジョン飯 第97話「ダンジョン飯」感想など

この記事何?

ダンジョン飯』の備忘録を兼ねた感想(たまに考察も)になります。

私がいままで書いてきた『ダンジョン飯』各話の感想・考察・メモについては、カテゴリ一覧の「ダンジョン飯」からお願いします。同作品の考察については、今後もこのカテゴリで記事を更新するつもりです。

misakub0.hatenablog.com

なお、今回取り上げる第97話は、'23年9月19日現在、単行本未収録です。既に読んだ方向けのネタバレありの感想ですので、単行本派の方は気をつけてください。

第97話「ダンジョン飯

こちらこそありがとうございました、という作者近況。アニメも楽しみです。

扉絵

美味しそうなご飯と、食卓を囲む人々。いいですよね。最終話にふさわしい、いい扉絵だと思います。

タダ飯ウイーク

電信が登場する前の情報伝達速度ってまあ遅い(はず)で、特に海を渡るとなると数日単位でかかるはず……その情報でタダ飯(野菜を持っていけば肉が食えるというのはタダ飯といえるのか? と思わなくもない)の存在を知った人がカーカブルードに来て、間に合うっていう……どんだけ長く続いたんじゃいって思いました。

センシが「1週間同じ肉を食わせ続けると飽きが来るか」と言っているとおり、それだけ続いたんだから大した量ですよね。そしてその結果としてみんなが持ち寄った普通の食材で食事会が始まってるのめっちゃイイですよね。私も1週間タダ飯食いたいです。

あと、597頁でエルフがオークたちにダル絡みしてるの凄くいいなと思いました。ここでしか見られない光景だろうなあ、と。

ファリン

いろいろと心配していましたが、人の姿を取って蘇生できてよかった。

これがライオス隊の目的だったので、さすがにこの結末にならないとは思っていなかったですが、割と最近、何なら95話くらいまではまだ一悶着あるかもなと思っていました。最後はすんなりいってよかった。

ちなみに竜部分を食べて人に戻る、というのはライオスたちが大勢の力を借りることで実現を目指した作戦なわけですが、それを最後にファリン自身がすることによって完成した、というのが面白い。

そして久々の人型ファリン……がっしりしてるのいいですよねーファリンはねー^^とか思ってたらキバが残っていて「ずるい!」ってなりました。強すぎる……

あと、ひざのあたりに羽が残っているのを見て「すごくいい……」とつぶやいたファリンにライオスが「アホ!」って言っているのは分かるけどお前が言うんかい……という気持ちになりました。

615頁の絵、めっちゃ性的官能的だなって思っちゃったのは私だけですかね。あと、次のページで竜部分の残りを食べるファリンの描写、相変わらず上手くて九井先生本当に凄いなと思いました。いや食べるシーンって難しいじゃないですか本当に……

王としてのライオス

なんだかんだ王になっちゃいましたねえ。

周りはめちゃくちゃ苦労しているとのことですが、本当にそうだろうな……(笑) ファリンとマルシル、カブルーの3人は王の近くに描かれてますけど、ファリンは政治が好きではなさそうだし、マルシルもどちらかというと学者肌なので、カブルーは大変に苦労していそうです。

でも迷宮の問題は解決したし、カブルーの望みはかなったんですね。そう考えるとカブルーは凄いな……苦労は散々していますが。

とまあネガティブなことも書きましたが、やっぱり政治指導者の基本は民を食わせることというのは今も昔も変わらない事実で、それができなかったために反乱や暴動が引き起こされてきたのが歴史だと思うのですが、その点に関しては安心できそうなのがとてもいいです。

そう言う意味では、飯に困ることの少ない現代の先進国ではなかなか王になれないのかもしれませんね、ライオスは……(問題が複雑化しすぎているし権力志向があるわけではないので)。

ダンジョン飯』は食欲を中心に人間の欲望と向き合う話だったわけですが、ライオスが「自らの欲望だけでなんとかなるものではない」ということに向き合う話だったのかなとも思います。

とはいえ作中には「欲望を貫くことによる事態の打開」もあったので、言語化が上手くできていない感じがしていて……そのうち修正すると思います(おい)

なんとなくの総括

いよいよ最終話。vol.106掲載の96話で「次号大団円」が告知されてからいままで、一ヶ月はあっという間でした。

思えば、この作品は徹頭徹尾欲望に向き合い続ける話だったように思います。生死の道理がゆがんだ迷宮の中で、自らの欲望のために、道理を犯し、魔物を喰らい、理外の存在と戦い……

私自身、人の果て無き欲望が織りなすタイプの物語が大好きなのでとても楽しく読ませてもらいましたし、なにより九井先生の絵作りは大変魅力的でした。あまり媒体の性質にこだわらない私がハルタを紙で定期購読していた理由は、先生の絵をしっかりと味わうためでもありました。

単行本が出るまではまだ時間もあるので、それまでは既刊をゆっくり読み返したり、他の方の考察を楽しんだりして、本当に終わるその時を迎えたいと思います……と綺麗に締めくくろうかと思いましたが、やっぱり無理ですね。本音を言えば「関連書籍」ってなに???? と湧きたっています。

個人的にはリンシャ過去編とか見たいですけど……まあ後日談っていうのが妥当なところかな。いずれにせよ、まだアニメもありますしね! まだまだ『ダンジョン飯』の世界を楽しみたいと思います。

以下雑記

ハルタについて

『山を渡る』は54頁を割いての槍ヶ岳登頂回。私も登頂したときは感慨深かったですが、梯子や岩場に挑む恐怖、そしてその恐怖を乗り越えるために必要なものは何か、が描かれている素晴らしい回でした。

『生き残った6人について』は新章突入でワクワク。入江には死んでほしくないですが果たして……

『花園に幹が立つ』は、諏訪さんのガン攻めがすごかった。というかまだこれで10話なんですね。展開が早いなあ……お約束の「女子部屋で布団に入ってやり過ごす展開」に象徴されるように、鉄板ラブコメ路線へ行っていますね。連載開始時は違うかなと思っていたのですが……あと2,3話で自分の中でこの作品の評価が決まる気がしています。前回の感想でも同じようなことを言いましたが。

読切は『愛とずぶぬれ』。絵柄もストーリーも良い! こんなサイボーグやAIは「ギリギリ」現実にないかなーくらいのラインなこの時代に読めるのがいいですね。個人的に女性社員2人の今後も気になります。
そして作者の古田青葉先生は第一回の八咫烏杯受賞者だったんですね。受賞作品がここから読めます。この作品も面白かったですし、これからも掲載に期待したいところ。

www.harta.jp

ハルタ以外について

Roseliaのライブに2days両方行ってました。
3連休のうち2日がライブだと体力的にもしんどいですが、まあ楽しかったのでよしとしています。コンテンツが続いている内に、自分が行けるうちに行っておかないとね。

このブログの今後について

前回、このブログの続け方としては、

  • 不定期でダンジョン飯のネタについて書く場…あまり書けるネタも多くないので更新頻度は今と同じかそれ以下になると思います。
  • ダンジョン飯』以外の漫画について長めの感想をアウトプットする場…最近だと『ぼっち・ざ・ろっく!』を全巻読んだのでそれとか?
  • ハルタの感想を書く場所…『ダンジョン飯』連載終了後のハルタに私が毎号読みたいと思える作品がどれだけ残るか次第
  • 百合姫の感想を書く場所…実は毎月電子版を買ってます。『私の百合はお仕事です!』を中心に書くことになるかなあ、と。でも正直感想を書きたいほどの作品はあまりないんだよな、百合姫は。

この4つを候補に挙げました。

結論としては、ひとまずハルタの定期購読が残っている年内は、ハルタ掲載作品の感想を書く場所として月1更新を続けられたらいいな、と思っています。

あとダンジョン飯』をゆっくり読み返して気付いたこととかをちょこちょこ書きつけたりもするかもしれません。

今後もなんとなく気にかけていただけると幸いです。

謝辞

最後になりますが、九井先生が仕掛ける多彩で細かな描写は、それこそTwitterで流れてくる他の方の感想に教えてもらったりしたことが多かったです。そのおかげで、ここ数年間は自分の読書力以上に楽しい体験ができましたありがとうございました。

しかも、結構ふせったーとかでワンクッション挟んでくれる方も多くて、おかげでそう言った考察を見るタイミングを選ぶことができたのもありがたかったです(隙あらばTwitterを開かなければ済む話)。

こういう良質な体験が、今まで通ってきたジャンルでまったくなかったわけではなかったのですが、やはり貴重であり、とても豊かな時間を過ごせました。

これがソシャゲのジャンルだと、なかなかこうもいかなくて、キャラやストーリーが実装された日の夜にはもうガンガンにネタバレを含む考察がなんのクッションを挟むこともなくTLに流れてくるんですよね。
いい悪いとかではなく、個人的にはそれが結構耐えられないので……そう言った意味でダンジョン飯のファンの方の雰囲気にはとても助けられました。

また、このブログも地味に見られているようで、理由は不明ですが83話の感想記事の検索流入がちょっと多いようです。

misakub0.hatenablog.com

自分用のメモみたいな感じで始めたのでびっくりですが、見ていただけるのは嬉しい限りです。今後ともよろしくお願いいたします。

それでは、また次回の更新で。