ダンジョン飯考察 第65話「ウサギ2」
この記事何?
『ダンジョン飯』の備忘録を兼ねた考察、感想になります。
当ブログが いままで書いてきた『ダンジョン飯』各話の考察やメモについては、カテゴリ一覧の「ダンジョン飯」からお願いします。同作品の考察については、今後もこのカテゴリで記事を更新するつもりです。
なお、今回取り上げる第65話は、'20年6月17日現在、単行本未収録です。ネタバレしかないので、単行本派の方は気をつけてください。
第65話「ウサギ2」
正直最初は扉絵の意味が分からなかったんだけどね……
ネクロマンシー
ライオス、センシという前線に立つ二人を真っ先に失い、次いでチルチャックもウサギにやられ、戦闘力の高いイヅツミも所在が不明。
マルシルにとって相当のピンチ。
ここで彼女が持ち出したのがネクロマンシー。ネクロマンシーって死体に霊をインストールして、死体にはある程度自律的に動いてもらう感じをイメージしてたけど、マルシルが用いた感じだと自分の動きをコピーする存在って感じだから、私のイメージとはちょっと違うのだろう。
しかしネクロマンシーを仲間やウサギに施して危機を切り抜けていく様は、全体的にコミカルな調子ながら、やってることはファリンの蘇生時並みのヤバさであり、そしてマルシルの精神的なダメージもまたそれなりのものでした。
こんな内容なのに重い調子にしないのは、まあ物語の上で重大な局面ではないということもさることながら、
「人間の死体を魔術で動かすネクロマンシーは犯罪だけど
でも今は法律が私達を守ってくれるわけじゃない 」(546頁)
っていう言葉を補強してるからなのかな、とかちょっと思ったりもしました。やってることは「黒魔術」かもしれないけど、これも命を助けるためなんだよっていう。
まあ「作品全体として重くはしない、そういう作風でしょ」とか言われたらそうだし、ちょっとここら辺は私の願望込みなところがあるので……
しかしマルシルは大変な役回りでしたね今回。ライオスもライオスで、これを見越してマルシルに首を守る防具を差し出したわけで、いくら蘇生が容易だからってサラッとできるわけじゃないよね、自分の防御力を下げていくのはさ。
マルシルの願い
「私は人種による寿命の差をなくしたいの」(562頁)
そして明かされるマルシルの願い。長命種であるエルフの彼女からすれば、自分は残される一方の立場であるわけですから、このような思いに至るのも分かります。
と言うか完全に今回この「マルシルが残される」展開の疑似体験みたいになっててホントにつらかったんだろうなというのが分かりますよね。だからこそ「マルシルが生き残ってみんなを蘇生」を作戦として想定していたライオスの予想を上回る反応だったわけで……(まあライオスはちょっと他人の感情の機微に鈍いけど)
もっとも、有翼の獅子が言う通りこれは大それた願いであることも事実、というか願い自体がグレー寄りのホワイトというか、実現することになるとどう頑張ってもブラックな感じの手段に頼らざるを得ないんだろうけど大丈夫なんですかね……
ライオスをはじめとしたパーティーメンバーも知らない彼女の願いがこれからの展開にどのような影響を及ぼすのかちょっと怖いね……マルシルがヤベーことをやらかすポジにならないことを祈るしかないですね。
第66話以降
私はTwitterで漫画のっけてる作者さんとかに今後の展開についての予想や希望を直リプするアホが死ぬほど嫌いなのですが(自分も作る側のはしくれとして、それを直に送られた段階で死ぬほどやりづらいのが分かるし)、まあ個人ブログで書く分にはいいかなと言い訳をしつつ……
とりあえずファリンの食料の材料となるウサギは確保できたライオス一行。料理をして、いよいよシスルとの対決になるわけですが、まあ何を作るのかってのが気になりますよね。
あとはカブル―&ミスルンが再びライオス一行に出合う時が必ずあるはずで、それがどのタイミングになるのか。個人的にはシスルとの対決が中途半端な感じに終わって、その後になる感じもしているが果たして……
来月のハルタVol.76も楽しみっすねって、よくある『いかがでしょうか』系クソサイトみたいな結びになっちゃった。すみません……
以下雑記
ハルタVol.75の表紙がフェチシズムに溢れてて、ちょっと本屋さんのレジに出すの恥ずかしかった。あとヒナまつりは本当に次週で終わるんか。まあ未来は変わったんだけども、カタルシスがそれほどなくて正直言うと何か微妙な感じだ……