ダンジョン飯考察 第68話「シスル」
この記事何?
『ダンジョン飯』の備忘録を兼ねた考察、感想になります。
私がいままで書いてきた『ダンジョン飯』各話の考察やメモについては、カテゴリ一覧の「ダンジョン飯」からお願いします。同作品の考察については、今後もこのカテゴリで記事を更新するつもりです。
なお、今回取り上げる第67話は、'20年10月17日現在、単行本未収録です。ネタバレしかないので、単行本派の方は気をつけてください。
第67話「シスル」
タイプライターの曲ってのがあるのは知らなかったです。泣けるかと言われると、うーんって感じでしたが。
以下、引用部分のページ番号は、ハルタVol.78のそれになります。
部屋の片づけ
整然と片づけられた我が家に困惑するシスル、
そして目にする積み重ねられた「ベッドの下に隠していた日記(ポエム付き)」。
やめたげてよ!!!!
これよりグロいこと、そうないですよ。狂気に駆られていった彼女の日記の内容はそれはそれで気になりますが。それにしても、まだつけてたりするのかな。千年分にしては少ない気がするけども。
そういえば第63話「コンフィ」においては、有翼の獅子を捜索するのには家中の物をひとつずつ改めるように提案するマルシルに対し
「俺が思うに こういう部屋に住んでる奴は
部屋を他人に片づけられると引くほどキレる」
とチルチャックが言っていましたが、ポエム付きの日記を暴かれたら誰だってキレるわ。
なお個人的な思いですが、ライオス隊のメンツの中で、自室を勝手に片づけられたときに一番キレるのはチルチャックだと思っています。
デルガルとエオディオ、ヤアド――そして、不老不死の呪縛について
ここで整理したい事のひとつめは、不老不死の呪縛がかけられた時期について。
病を得ていた頃のエオディオがヤアドにそっくりだったので戸惑いましたが、デルガルの子がエオディオであり、そして第46話「黄金郷」ではヤアドが「デルガルの孫である」と自己紹介していたので、エオディオの息子がヤアド、ということなのでしょう。
なお、同じく第46話ではヤアドの口から「狂乱の魔術師」について
「私が物心ついた頃には既に名の通り
まともに話ができる状態ではありませんでしたから」
という発言もありました。
このとき――つまり作中時間でいう現代――のヤアドは、人間で言うと10代後半から20代前半くらいの少年~青年くらいの姿でしたので、シスルが黄金郷の住人に(少なくとも)「不老」の呪縛をかけたのは、ヤアドがそれくらいの年齢になった頃、つまりは「まともに話ができる状態」ではなくなってから、10年ほどは経った頃ということでしょう。
不老不死の呪縛をかけたときの話も、いつかやるのでしょうか。
ふたつめは、不老不死の呪縛の内容について。
不老不死の「不老」については先ほど触れましたが、今度は「不死」についてです。
以前の記事で、第19話「テンタクルス」の考察において
古代の呪術について研究しているノームのタンスいわく
- 「人の魂を肉体に束縛する」非常に強い術が張られている
- そのおかげで肉体の損傷を治せば蘇生できる
- 「死」自体が禁じられている?
これはほかのダンジョンにはない迷宮独特の不思議っぽい感じですね。
という風に書きました。以前からこれが「迷宮独特」というところで引っかかっていたのですが、第68話でシスルが「魂と身体を分離させる」魔術を使っていたことからも、この「人の魂を肉体に束縛する」術は黄金郷の住人にかけた不老不死の呪縛の副作用のようなものなのかな、という気がしてきました。迷宮だと本当に魔力が無尽蔵にあるからできちゃうってことなんですね。
まあ、804頁の蘇生とはどう違うのとか正直よく分かってないので、今更感とガバガバ感モリモリですが。
みっつめは、デルガル、エオディオ、ヤアドの魂と身体のありかについて。
デルガル……魂は消滅済み。身体はシスルの家。
エオディオ……魂はシスルによって身体から分離させられた後、不明。身体はデルガルが持ち出したのち消滅。
ヤアド……魂は黄金郷に、身体はシスルの家。
ここで気になるのは、
- デルガルがどうやってエオディオの身体に入り込んだのか
- エオディオの魂の行方
この二つです。前者についてはまさかシスルが手助けするはずもないので、おそらくは翼獅子によるものでしょう。それにしたってどうやったのか分からんですが。そして後者については、どの程度クリティカルな事象かはわかりませんが、おそらくどこかで出てくるはず。私個人の読みではそれなりに重要な要素になると思っています。
翼獅子
- ついでみたいにマルシルがハーフエルフと分かってビビりました。
- やっぱお前、ミスルンを唆したヤギと大差ないヤバいやつなのではっていう。食ったりはしてないみたいだけど。
- 翼獅子とシスルの契約の瞬間、ダンジョンの成り立ちの瞬間が初めて描かれましたね。これについては長くなりそうなんで別個に記事を書きたい。
以下雑記
シスル激熱回でしたね。情報量が多かった。
ハルタVol.78のあまりの重みに笑ってたんですが、家に帰ってページ数をVol.77と比べたら微増くらいのものでした。たぶん2か月ぶりに買って感覚が鈍っていたんだと思います。