ダンジョン飯備忘録:その1(~単行本4巻)
この記事何?
一度『ダンジョン飯』を8巻まで読み終わった私が、9巻の発売に際して本誌派になるにあたり、思考を整理するために単行本を読み返してひたすら記録や他愛もない感想をつけていく記事です。あくまで備忘録であり、考察のための下書きのようなものです。
要所要所でメモ書きのような考えは書いてありますが……
Part1の今回は、単行本4巻までの内容を書いています。これから読みたいって人にはネタバレしかないので注意してください。
1巻
ダンジョンの基礎知識
- 1千年前に滅びた黄金の国の王が言い残した伝説いわく、「かつて栄華を誇ったその国は狂乱の魔術師によって地下深く今なお囚われ続けている」「魔術師を倒した者には我が国のすべてを与えよう」(5頁)
- 地底にあり、魔物が何かを守るように襲ってくる。魔物の正体が何なのか不明だが、「それらこそ呪われた黄金の都の存在を示す唯一の証」とされている(22頁)。
- 発見されたのは割と最近(32頁)
- 地下深く何層にも亘っている
→ダンジョンを作ったのは誰か、その目的が何なのかは不明。しかし、「狂乱の魔術師」が作ったと考えられるのだろうか。
-
「死体を回収して生き返らすことで生計をたてる者も多い」(50頁)
→冒険者たちは生活の糧を稼ぐとか知的好奇心とか、それぞれの理由でダンジョンに潜っている。
地上に戻れない犯罪者などで、「魔物を狩って食い扶持にしている人間は割といる」
世界観
- 魔法は存在してる。
- ファンタジー世界でよく共有される多種族共存型? まあ私は正直ファンタジーに疎いのであんまりここに関しては突っ込みません。
- センシが名前を「ドワーフ語で探究者という意味だ」としてしている(37頁)ところから推測すると、種族の壁を越えた共通語のほかに、種族ごとに言語がある感じ?
その他
- 4話……扉絵がファリンとマルシルの魔法学校時代
- 5話……チルチャックの種族がハーフフットと分かる。
ここまでが1巻の内容です。
2巻からは1話ごとに記録していきます。その方がやりやすそうなので……
第8話「キャベツ煮」
ゴーレムについて
- 「主人の命令を忠実に守る人形」(7頁)
- 土が99%、残り1%は「秘密」
→センシは彼らの背中に植物を植えて自給自足の生活をしている。ダンジョン内で面倒な管理の仕事までして自足自給の生活をしているのは、彼なりに恵みを与えて受け取ってのサイクルに充実感を得ているからなのだった。
第9話「オーク」
迷宮内の商人の相手になっているのが、冒険者を除くと「地上に戻れぬ所以を持つ者達である」ってのはやっぱり迷宮のアングラ(文字通りのアングラでもありますが)感を表してるんでしょうね。まあ危険なところだし、そりゃそうか。
オークについて
- 身体が大きく、奪うことに特化しがちなため、人間やエルフといったほかの種族との折り合いは悪い?
- お父さんは口が悪いけど義理堅い、典型的な力に訴えるキャラクターといった感じ。でも、集団を率いているだけあって、冷静に他の冒険者のことを見ている。
- エルフを見て不細工と言っているので、美醜の価値観が違うみたい。
→その日暮らしの冒険者はやはり多いようだ。
第10話「おやつ」
名前は出てきませんがカブル―登場回ですね。
迷宮の異変
- 「いつもより魔物の動きが活発」
- 迷宮の形が変化
→いずれも61頁。
ライオスの剣
第7話「動く鎧 -2-」でライオスが拾った剣が、今回パーティーを救った。
- ライオスを仲間として認識している?
- 語りかける……?
第11話「ソルベ」
扉絵がファリンが食われる前のパーティ。本編でも、ファリンが霊の扱いに長けていたことが触れられている。
マルシルとファリンの魔術について
- エルフは魔術に長けたイメージがあるが、今までの描写と併せるとマルシルは得意分野と不得意分野がある。
- たとえば、マルシルと比べてファリンの方が長じていた分野が、霊の扱い意外にもあるかもしれない。
第12話「宮廷料理」
- 絵が動いて襲ってくるのヤバいね
- なんか固有名詞とかたくさん出てくるから多分重要な回(小並感)
- デルガル(王)と、名も知らぬ褐色エルフはこれからどこかで出てくるのかな
第13話「塩茹で」
チルチャック回。しかし、意外と強かなんだな、コイン虫よ。
古代語
マルシルは読めるらしいので、魔術とはかかわりが深いのかな。
種族と年齢
- ハーフフットなので幼く見えるチルチャック、29歳と判明。
- ライオスよりは年上
- しかし、長命種族であるエルフであるマルシルや、ドワーフであるセンシからすると、まだまだガキみたい
第14話「水棲馬」
マルシルの魔法にセンシが理解を示す回。地下4階に到達しましたね。
水棲馬
人を魅了して引きずり込む存在と聞くと、セイレーンを思い出すなあ。あっちは歌だけど。
水に浮く魔法
そんなのもあるのか……!って感じ。マルシルの出来る魔法の範囲は相当広いのか。
ここまでが2巻。
第15話「雑炊」
カブル―隊再びの登場。
蘇生について
- 蘇生屋が出てきましたね。やっぱりガラが悪い。一人600ゴールドという金額に関しては相場が分からんから何ともだけど……
- 実は気絶していただけだったことや、宝虫のことを隠したりするあたり商売に忠実って感じですね……
カブル―隊について
- リンちゃんかわいい
- 犬頭のクロ、かわいい
人魚について
- 基本的に「亜人」に分類されるらしいが、「人魚には2種類あってほ乳類と魚類のがいる」(23頁)ので、魚類の方はどちらかといえば人からは遠いという認識らしい。
- カブル―いわく「人魚は襲ってこない」という認識だったけど、カブル―隊が襲われたところをみるとそれは誤りだったのか。それとも、人型の方は襲わないけど、魚型の方は襲うとかそういう事なのか。
- 分からん。
- と思ったら裏表紙のイラストで魚類っぽい方が"Merman"、人間っぽいほうが"Mermaid"として描かれているので、別物として認識したほうがいいのか。
第16話「蒲焼き」
ついに寄生虫を食べるとは。
それにしても中学の頃に授業でイカを解剖したのを思い出したよ。プラスチックみたいな軟骨とか、綺麗なレンズになってる眼球とか、イカの体は美しかった。
迷宮の生態系とその理解度からうかがえることについて
食物連鎖があることが分かっている。ということはやはり、この世界における生物学と言うのはある程度以上進んでいるんだなあと言うのが分かりますね。生物選択だったのでここら辺気になってしまう。
第17話「木苺」
マルシルとファリンの出会いについて、そして迷宮についての回。「学校始まって以来の才女」であったマルシルと、「落ちこぼれ」と目されていたファリンの出会いですね。
迷宮の仕組みについて
- 16話では生態系のことについて触れられたが、この回では、迷宮が魔物の数を上手く管理?して人間を呼び寄せていることが説明されている。
- 才女であるマルシルからしても、この迷宮を作った魔術師は相当の魔法使いらしい。
マルシルの目的
迷宮が作られるものであるという前提に立ち、魔法で利用することができる安全なダンジョンを作るのが彼女の目的、らしいこと。
第18話「焼肉」
自粛で全然いけてないから焼肉食べたくなってきた。レバーも食べたい。
第19話「テンタクルス」
ライオスの割り切りが少し怖い回。
ナマリについて
ノームについて
ファンタジーに疎い私なので、普通に初見の単語でした。大地をつかさどる精霊が元っぽいですね。小柄で鉱脈とかに詳しい。ふむふむ。
迷宮の仕組みについて
古代の呪術について研究しているノームのタンスいわく
- 「人の魂を肉体に束縛する」非常に強い術が張られている
- そのおかげで肉体の損傷を治せば蘇生できる
- 「死」自体が禁じられている?
これはほかのダンジョンにはない迷宮独特の不思議っぽい感じですね。
第20話「シチュー」
マルシル→ファリンの感情
- マルシルがファリンのことになると人が変わるってのがよく出た回。チルチャックの冷静さと対比するとよくわかるし、なにより自分から食べ物じゃないものを口に入れようと提案するのは今回が初めてなのでは。
- 今まで明かされた範囲だと、「魔術学校で出会って仲良くなった」程度のものなので、ここまでマルシルが拘る理由にはならない、ような気がする
シュロ―について
- ここで初めて名前が出てきた、ような気がする。
- ファリンにベタ惚れしていた(そしてライオスだけが気付いていなかった)
→やっぱりライオスはちょっとおかしい人ですね……ファリンもファリンで個性が強いし、ライオスがいた家の人格形成が気になる。
第21話「大ガエル」
- 食品と衣服を同時に作る漫画はたぶん初めて。
- カエルスーツ着たセンシかわいい
第3巻がここまで。いよいよ5階に到達です。
第22話「地上にて」
これまでほとんど描かれてこなかった地上の様子。いまはトールマンが支配し、「島」と呼ばれている土地の話です。
「島主」とノーム、「西のエルフ達」の思惑
- 島主は迷宮から得られる利益には興味あるが、その中や本当の価値についてはあまり興味がない
- ノームであるタンスは、迷宮の価値を「謎の多い不死の術を解き明かすカギ」として、エルフもまたそれを狙っているのだと思っている。
- 「西のエルフ達」は迷宮の所有を主張している
ナマリの活動
- なんだかんだ彼女は彼女なりにファリンを蘇生させようとしている。第21話でも分かったけど、情に厚いんだね。
- 61歳だったんかい
第23話「炎竜1」
扉絵がセンシと、おそらく炎竜のしっぽ。
迷宮の変化について
- 第22話でも触れられていましたが、迷宮は拡大を続けている様子。
- 「魔術によって膨れ歪んだ街並み」とあるので、この地下5階も同様の意味合いで拡大しているのだろうか。
第24話「炎竜2」
扉絵がチルチャックと、炎竜の足。
逃げる剣
最悪のタイミングで逃げてしまったなお前な
言語について
チルチャックが「共通語は罵倒の語彙が少なすぎる」と言ってライオスには通じない単語を叫んでいることからしても、やはり種族ごとに言語があるらしい。
以前、センシが自己紹介の時に「ドワーフの言葉で……」と名乗ったこととも矛盾しない。
第25話「炎竜3」
扉絵がライオスと、正面から見た炎竜の頭。
覚悟
「腹をくくれ!」というセンシ、戦力には数えるなと言いつつ身を挺してスキを作り出そうとしたチルチャックに託され、ライオスも覚悟を決めた作戦を実行しましたね。
これまで作中だとファリンに対する執着をあまり見せてこなかった彼が一番真剣な表情を見せたのが今回だったかもしれない。
第26話「炎竜4」
扉絵はおそらく故郷でのライオスとファリン。
ライオスとファリンの過去。
- トーデンって姓だったのを思い出しました。
- ファリンが持っていた霊術の才能は大人から疎まれていたが、ライオスにはそういった偏見がなかった。
第27話「炎竜5」
扉絵は、ファリンが生きていた時代のライオスパーティーが宴会してる場面。カブル―隊もいて、カブル―はライオスの方に視線を送っていますね。以前の回でもさらっと描写されていたように、ライオスのパーティーはそこそこ知られていた、という事情が垣間見える。
内容は、ファリン蘇生編。
「まっとうではない」魔術
ファリンの蘇生のために、隠していた自分の専門である古代魔術を用いることを提案したマルシル。本当にファリンのことになると手段を選ばんな……と思いつつも、しかしこれがこの時に取れた最善の手であったことは、他のメンバーも認めてるわけですよね。
第28話「炎竜6」
- マルシルさんちょっとベタベタしすぎじゃあないんですかね
- やっぱヤバい魔法だったんやなあ……魔法陣早く消して!
- 防御魔法を無詠唱で出せるようになったファリンの変化、マルシルはこのあたりで何かがおかしいって感づいてるんですかね。
- なんだかんだライオスはめちゃくちゃ妹が大事なんだなってのが分かる回でもある
- そして現れた褐色のエルフ、そういえばアンタ12話で……
これで4巻が終わり。いったん休憩。
読み返してみた感想
- 『ひとりぼっちの地球侵略』を読み返したときも感じましたが、やっぱり振り返るといろいろと忘れてた。『ダンジョン飯』の2巻以降は読んだのが割と最近のはず(去年の9月とか)なのに内容抜けてたので、こうして備忘録を残すのは大変だけど意味があることだな。
- 九井諒子先生は絵が上手い。種族の描き分けとか魔物の描き方とかが本当にイケてると思う。
- 自分にファンタジーの素地が全くないのが悲しいけど、それでも面白いと思うから、この作品はファンタジー好きの人にとっては本当に面白いんだろうな。
5~8巻は実はもう書き上げてるので近日中に上げる予定。ではでは。