虫篭

ダンジョン飯について書くブログ。

ダンジョン飯 第76話「迷宮の主2」

この記事何?

ダンジョン飯』の備忘録を兼ねた感想(とちょっとだけの考察)になります。
私がいままで書いてきた『ダンジョン飯』各話の考察やメモについては、カテゴリ一覧の「ダンジョン飯」からお願いします。同作品の考察については、今後もこのカテゴリで記事を更新するつもりです。

なお、今回取り上げる第76話は、'21年8月17日現在、単行本未収録です。ネタバレしかないので、単行本派の方は気をつけてください。

 

 第76話「迷宮の主2」

適当に茹でたところが好きなのは……! ちょっと分かる……!!

リシオンとイヅツミ

リシオンの変身シーンがカッコいい!(言いたい事の9割)

彼が全裸に近い格好を貫いているのは「(ワールドガイドいわく)露出狂」なのに加えて、変身したときに服がビリビリーってなりにくいようにするためなのかなとも思いました。獣modeだと発声がしづらくなったりしないのだろうか……とか余計なことも心配したり。

しかしまあ、リシオンが取った「わかるよ、わかる。大変だよね(でも妥協はしない)」みたいな態度、これをナチュラルにやっちゃうのがエルフの傲慢さと言うか何と言うか……

一方でイヅツミですが、750頁下段、移動中のリシオンとイヅツミの間に

「それどこで術かけてもらったの?」

「あ?」

 と言うやり取りがあり、759頁でリシオンは獣の姿に変身、イヅツミは目を丸くしていました。イヅツミからすれば自分にかけられた術のルーツを知る手掛かりにもなるわけだしね……イヅツミの秘密はどこかで明かされてあげて欲しい。

ただライオス、お前は目を輝かせている場合じゃないぞ……あとどうでもいいのですが、猫が良くやる回転して着地するやつをやっているイヅツミはかわいいね。

ライオスとカブルー

ついに殴られた!(笑)
というようなリアクションをしていました。768頁の殴るシーンを最初に読んだ私は。しかし、シュローのときを思い出す……ここまで殴られるのはある意味才能ですよ、ライオスは。

しかし、ここまで基本的には辛抱強く時機を窺って「上手くやって」きたカブル―が、ここにきてというところでもどかしさを抱えるのは、何と言うか少しかわいそうになってしまう。これもまたちょっとだけリシオンみたいな目線なのかもしれないけれど……

地上の飯屋で話をすることがあるとしたらすべてが終わった後だと思うんですけど、果たしてその日は来るのでしょうか。バトル漫画や戦争映画での「この戦いが終わったら」は死亡フラグですが、『ダンジョン飯』での「落ち着いたらご飯食べにいく約束」がそうでないことを祈ります。

バランス

繰り返し言っていることだけどやはり感じるのは、『ダンジョン飯』においてはどんなシリアスな展開にあっても、1話単位のどこかでコミカルなシーンを意識的に入れている気がするんですよね。その分、ページやコマレベルの小さい単位で展開される重要な描写が重みを増しているというか。

とはいえ、その重要な描写も、カミソリのような一瞬の、一コマで効いてくる切れ味というよりかは、会話で作っていくじわりとした重みというような感じなのですが……そういう「じわじわ感」みたいなところがこの作品の好きなところなのかもしれないです。上手く形容できないのが歯がゆい。

最後に

ライオスがマルシルの「寂しさ」を想像して寄り添うの、なんかいいよね……

以下雑記

本棚がやっと我が家に戻って来て整理していたり、ワクチン(2回目)の副反応だったりでフラフラしていたらこんな時期になっていました。暑い時期に重い本をもって動き回るのは、部屋の中であっても難儀でしたね。汗めちゃくちゃかきました。

ハルタについて

八咫烏賞の読み切りで一番好きかもなあと思ったのが今号に掲載されていた佐藤宮『謎めいて恋』。PNでググっても出てこないので全くの新人さんなのか別名義なのか。
種明かしとなる収斂火災自体はミステリファンには(というかそうでなくても)鉄板すぎるネタだと思うのですがそれは置いておいて。
なんだかんだ推理中も息がぴったりな感じの姉妹とか、姉妹と将棋部の二人の関係の重ね合わせとか、そのあたりが私好みでした。人情モノにありがちな薄っぺらさみたいなのを上手く回避している(ような気がする)点も好印象。絵柄も好きです。

……なんかいまいち断言できないのは副反応で頭がフラフラしているからということにしておいてください。

しかし、ハルタが前号から(たぶん)採用した目次と作者コメントを分ける構造、もうこれは継続ということでいいんですかね。正直前の方が良かったかも。まあ些細な違いですし、目次は前にあった方が分かりやすいというのもそれはそうなのですが(でも漫画雑誌だと後ろにあるのが一般な気がしないでもない)

ハルタ以外

先日、とあるジャンルの同人誌即売会に売り子で行ったのですが、久々の楽しい空気に触れたことで気が晴れました。あのお祭り感は貴重だな、と……
そうかと思えばこの文章を書いてる時にちょうどNHKでやってる72時間のアレで夏コミ出てきたりしていて、とても懐かしくなりました。盆と暮れのビッグサイトや、ちょいちょいあるオンリーイベに足繫く通っていたのがもう遠い昔のことのように感じます。またいつか本を作りたいなあ……

まあそんな情熱と元気があれば、と言う所ですが。

それでは、また次回の更新で。